巡礼の旅もいよいよ最終日になった。
きょうは一日かけてエルサレムの旧市街地を歩き続けた。
ここは周囲を高い城壁に囲まれ、いくつかある門を除いて出入りは出来ず、車の通行は出来ない。
この狭い旧市街地にユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が密集している。
ユダヤ教では古くその神殿があった場所であり、キリスト教ではイエス・キリストが十字架につけられそして復活した場所、イスラム教では預言者モハメッドが昇天した場所とされている。
ながい歴史のなかでこの三つの宗教は抗争を繰り返したこともあるが、現在は仲良く共存している。
旅を終えて、つくづく考えさせられたのは、二千年三千年の時空を超えて現代にまで生き残り、なおその影響力を保っている宗教の力強さである。
たとえ栄華を極めた古代ローマの宮殿も、今は瓦礫となって遺跡の地下に眠っている。