コタキナバルの娘さん

まことに縁と言うのは不思議なもので、コタキナバルの娘さんEllieに会ったのは、私の住んでいる櫛挽開拓地の新井さん宅であった。マレーシアのコタキナバルは私の甥っ子が現地の娘さんと結婚してそこに住んでいるせいかとても親近感がある。彼女はロータリークラブの産業人交換プログラムの一員として一週間新井さん宅にホームステイしていた。

いざ外国人をホームステイさせるとなると、どこの家でも皆尻込みしてしまう。やれ言葉の問題とか食事の問題とか理由をつけて、まずそこの家の奥さんに断られてしまう。その点この新井さんの奥さんは違った。開拓者の血を受け継いでいるのか、まれに見る肝っ玉かあさんなのだ。言葉はぜんぜん駄目だが、まず預かったというのである。食事のこともマレーシア料理は本人と一緒に作ればいいと意に介さない。要は気持ちが通じるか通じないかの問題なのよと、けろりとしていられる。まさに民間の草の根外交を地でいってるとはこのことだ。

先日の早朝、新井さんとEllieは自転車に乗って我が家に現れた。今、櫛挽開拓地は春真っ盛りの一番美しい時で自転車で散歩するにはもってこいだという。Ellieは実にいい家族のところにホームステイしたものだ。