米寿の人

昨晩私ども業界の先達である、所 秀雄さんの米寿の祝いが東京六本木ヒルズ内のホテルであった。お世話になった業界の人たちが300名近く集まった。あまり自慢にならないが六本木ヒルズに行くのは初めてだ。地下鉄の駅から歩いてやっとそこにたどり着いた。そこには全国はおろか海外からもお祝いに多くの人たちが駆けつけていた。

現役のときの所さんを皆知っているが、歳をとられてからはあまりお会いしていない。皆固唾をのんで所さんの登場を待った。やがて紋付袴に身を固めて壇上に立たれた。その姿は端然としていられ、現役のときを偲ばせる迫力が残っていられた。30分ちかくゆっくりではあるが原稿もなしに話をされた。その声には張りがあり、語ったこともとても魅力的であった。

どうも人それぞれに寿命というものは決まっているらしい。誰でも皆、長生きしたいのは同じであるが結果はみな違う。望んでいても誰でも米寿を迎えられるわけではない。ましてボケずに動き回れるとなると更に小数の人たちになってしまう。

元気の良い先輩たちにお会いすると、こちらまで嬉しくなってしまう。いろいろな歳のとり方があるものだ。