ブータン ほほ笑み

ブータン ほほ笑み

たった四日間の滞在でその国のことをとやかく言うことはできない、まして決められた代表的なコースを歩いただけだ。しかし短期間であるだけに強烈な印象が残る、私にとって初めての国だけに尚更であった。
私にとってブータンの人たちの「ほほ笑み」は強烈であった、それは今まで訪れたどの国のものとも違う。「笑う」のでなく「ほほ笑む」のである。それが小さい子供から爺さん婆さんにいたるまで共通している。
たとえば道ですれ違った小学生と思われる子に日本語で「今日は」と声をかける、外国人である私にいきなり声をかけられればたいていビビると思いきや、わりと自然にほほ笑む。
私は興味をもって、子供からそれこそ爺さん婆さんにいたるまでテストしてみた。結果は同じであった。そのほほ笑みが実にいい、それがとってつけた笑いでなく自然体なのである。心が豊かでなければこのようなほほ笑みは出来ない。
国によってはこちらで挨拶しても、ほほ笑みどころか無視される場合もある。あるいは無理して笑ってくれる場合つまり営業笑いが多い。
ブータンは貧しい国である、それは四日間歩きまわっただけでもわかる。それなのにあの芯から幸せそうなほほ笑みはどこから生まれるのだろう。