たまご屋おやじの独り言 櫛挽開拓地 水害と旱魃

 私の住んでいる櫛挽開拓地のことを、その成り立ちから変容について詳しく調査した報告書を見る機会があった。
今年の深谷市市民大学のチームがその研究テーマとして「櫛挽開拓地」を取り上げ、現地調査として初代の開拓者から直接その当時のありさまなど聞き取りなどを始めた、同時に現在残されている資料などを調査していた。
私はチームのメンバーではないが、櫛挽開拓地のことならと人の紹介、資料集めなどに協力する。
ある日チームのリーダー格のOさんが興奮気味にいい資料が見つかったといってこの「櫛挽開拓地の成り立ちと変容」根橋文武著を見せてくれた。
一気に読んでしまった、私自身この開拓地には中途入植させてもらったのであるが、初代の開拓者の苦労をしていない。なぜ初代の人たちがあれほど苦労されたのかよく判らなかった。それはまわりにある旧村の農家の人たちでも手をつけないほど恐ろしい土地だったのである。
とくに台風時期の水害である、排水路のない開拓地はいつまでも水がひかず、作物は全滅した。逆に最近のように雨が降らないで日照りが続くと旱魃になり作物は取れなくなった。初代の開拓者の人たちは力をあわせ排水路をつくり、灌漑用水として荒川から水を引く用水路を完成させた、そして生活は始めて安定した。
櫛挽開拓地の人たちは団結心が強い、初代の苦労を知っているから二代目、たとえ三代目になってもその芯は伝わっている、またそう願いたい。