たまご屋おやじの独り言 香川県お遍路あとがき2 善通寺であった人

 「遍路は道中にあり」歩き遍路をしている人たちがよく口にする言葉である。
その意味がすこし分かってきた、とにかく歩いているといろいろな人たちに出会う。
おたがいに遍路の仕度をしており、だいたい同じ方向へ歩いているので会えばすぐ打ち解けて情報交換がはじまる。
だいたいに歩き遍路をしている人たちは変わり者が多い、よく云えば個性的で、その話はとびきり面白い。
そうであろう、とにかく88ヶ所の札所をまわるのに40数日以上で約1200kmを歩き続ける人たちなのだ。
写真の人は一見どこにでもいる普通のおばさんである、善通寺の宿坊で一緒になった。夕飯
を食べながら話をして驚いた、今回が三度目の歩き遍路であるという、それも単身で。
「なぜこんなに苦しい旅を繰り返すの?」と聞いてみた。「家に帰ってしばらくするとまた来たくなるの」とさらりと応えた、やはり只者ではない。