今朝、小雨まじりのなか山を一回りしてきた。
ほんの一週間のうちにこの里山はその装いを見事に変えている。
頂上から眺めると、いっせいに芽吹いたうす緑で山全体が覆われ、ところどころに山桜が咲き、そこだけがぽっと明るい。「あっれ、そんなとこにお前はいたの?」とびっくりする。
まるで春雨によって、新しい生命が注ぎ込まれたように山は動き出す。
山道でこの山の先生ことNさんにあった。
「いま春蘭が咲いてるよ」この前Nさんに会ったときその場所を教えてくれたので、その場所を何度も私は探したが見つからなかった。
今回は「チゴユリが咲いているよ」という、Nさんは特別な目を持っているらしい。
「ところで(山笑う)という言葉知ってる?」ときた、「ええ、まあ」と私。
「この(山笑う)時の鐘撞堂山が楽しみで一年中ここに来てる」とNさん。
この人はやはり只者ではない。