たまご屋爺さんの独り言 八十路に思う 四

たまご屋爺さんの独り言 八十路に思う 四

 先日、野球選手で鉄人といわれた衣笠選手が亡くなった、71才の若さだ。
その彼が生前国民栄誉賞を受けた時TVで語っていた「私が野球に出会えたのは神様のお陰です」が忘れられない。

日本人は本当に嬉しい時や本当に悲しい時、自然に神様や仏様の名前が出て来る。

口では「私は無神論だ」と格好をつける者もいるが、平気で神様仏様にお願い事や感謝の気持ちを伝えている。
本当は信心深い国民性であるのだろう。

私の家の宗派はキリスト教である、私の親父が若い頃仏教からそれに乗り換えた。
生家である古く続いた農家の兄弟姉妹はたまげたに違いない。

少し変わった親父はクリスチャンを貫き通して亡くなったが、晩年また仏教にも興味をもち般若心経の写経に夢中になり、亡くなった時は一万枚以上になっていた。

この変なところが私にも乗り移り、晩年になって私もボールペンでそれを始めた。
八十路の今、まだそれが千枚に届いていない。
 
般若心経を写経しその呪文を唱えていると気持ちが落ち着くのはのは不思議だ。