たまご屋おやじの独り言 1999年12月

たまご屋おやじの独り言 1999年12月

31/December/99

クリントン大統領SE撲滅宣言

ネットワーク仲間はまったく有難い、千々岩 壬さんが貴重な情報をくれました。

99/12/10 クリントン大統領がラヂオでアメリカ国民に向けて行った演説のことです。要点は「2010年までにタマゴ由来のSE(サルモネラエンテリテヂス)による食中毒を撲滅しよう」です。その根拠となる科学的データ、撲滅計画の戦略、スケジュールなど等膨大な資料がHP上に用意されています。「20000ヶに1ヶSEをもったタマゴが現実にアメリカで流通している」との現状認識を前提にすべての戦略が組み立てられています。
http://www.foodsafety.gov/~fsg/ceggs.html

大統領が国民に身近な問題として直接話しかけているが、日本の首相が「タマゴ由来のサルモネラ食中毒」について直接国民に話しかけてくれるだろうか?

28/December/99

HP 「にわとりメーリングリスト(ML)」の薦め

鶏卵生産者にとっては久しぶりに心穏やかに過ごせる年末です。私がコンピュータネットワーク(インターネット他)に興味をもち、これに触れてから約4年になりますがこの世界で起きた変化の物凄さにはただただ驚くばかりです。素人考えですが、いくつか解かったことがあります。

1)なんの商売をしてるにせよ、この世界を避けて通れない。
2)便利な道具がますます使いやすくそして安くなり、誰にでも使えるようになった。
  (30年前の電卓と今のそれの値段を比べてみよう)
3)ネットワーク上にある情報量とその質が格段に上がった。
  (その道のプロが使える)
4)ネットワーク利用者が増加し今後さらに急速に増える。

つまりこれは「使わねば損」な世界です。既にネットワークを利用されている皆さんには同感して頂けるでしょう。

先日、畜産関係のMLではパイオニア静岡県の柴田さんより「にわとりML]を作ろうとの提案がありました(MLとはメイルを利用したメンバー制の会議室)。彼は静岡県庁に勤務されていますが、まったくのボランティアで「家畜衛生ML]を個人で既に5年以上組織されてます。この世界で5年と言うことはまさにパイオニアそのものであり、ネットワーク上の有名人です。

(知る人ぞ知る)私がネットワークに興味をもつきっかけを作っくれた先生です。先生などと言うと彼はいやがりますがまだ30代の好青年です。是非とも彼に協力してください。お金はかかりません。彼はこの「にわとりML]ネットワークを維持するのに一月500円(一人あたりでなく全部で)かかると言ってます。もっとも彼の智恵と使われる時間をお金にすれば大変なことになりますが。

「にわとりML]参加希望者はMasashiSHIBATAさんに連絡してください。彼がそのルールなど教えてくれます。
電子メール アドレス :sibata@dc4.so-net.ne.jp

27/December/99

日本の食中毒 サルモネラによる食中毒 卵による食中毒データ

厚生省のHPにある食中毒情報はとても役にたつ。今年の9月キプロスで行われたIEC(International Egg Commission)にて日本の鶏卵産業について説明する機会があった、そのとき日本の卵によるサルモネラ食中毒の現況を説明するのにこのHPの情報を使わせてもらった。1998年夏、マスコミによる「タマゴによるサルモネラ食中毒」騒ぎで、私どもの業界は大きなダメージを受けた。しかし冷静にデータを読み取るかぎり近年「タマゴによるサルモネラ食中毒」の件数、患者数は特別増加していない。

The Present Situation of Food Poisoning in Japan (日本の食中毒)
1)Total Food Poisoning
(食中毒 件数 患者数 死亡数)
      No.of Occur(件数) No.of Pacients(患者数) Mortarity(死亡数)
1996年   1,217         46,327             15
1997年   1,960         39,989             8
1998年   2,613         44,053             7
1999年   1,159         16,405             2

2)Food Poisoning due to Salmonella
(サルモネラによる食中毒 件数 患者数 死亡数)
      No.of Occur(件数) No.of Pacients(患者数) Mortarity(死亡数)
1996年   350          16,576              3
1997年   521          10,926             2
1998年   630          11,035             1
1999年   289           4,494              1

3)Food Poisoning due to Eggs
(卵原因の食中毒 件数 患者数 死亡数)
      No.of Occur(件数) No.of Pacients(患者数) Mortarity(死亡数)
1996年   35            3,049              0 
1997年   37            2,012             2
1998年   46            1,902             1
1999年   20             396             0

このデータは厚生省の食中毒情報による。
厚生省 http://www.mhw.go.jp/o-157/h10syokutyu/jokyo_13.html

1999年のデータは1999年12月15日の速報による。http://www.mhw.go.jp/o-157/h11syokutyu/h11jokyo_13.html

26/December/99

アメリカFDA「卵の安全取り扱い指示書」1999年9月から実施、指示書翻訳文の紹介

1999年9月、アメリカの鶏卵業界にとって重要な決定がなされた。この「卵の安全取り扱い指示書」の原文は http://vm.cfsan.fda.gov/~lrd/fr99706a.html  にあります。全文の翻訳を山田技術研究所の山田隆弘先生(獣医師)がされています。A4で40枚近い労作です。日本で鶏卵の仕事に携わる人達にも大変参考になります。一部10,000円にて分けてもらいましたが、専門的な知識とそれに要した時間を考えると大変値打ちのあるものです。以下その要約を紹介します。もし必要な方は直接山田先生 taphy-39@kitanet.ne.jp に連絡してください。

卵の安全取り扱い指示書と冷蔵流通を求める規制法の及ぼす影響についての事前分析及び関係法規の適合性分析 ;

要約 :
食品医薬品局 ( FDA ) は、殻付き卵にはSalmonella菌を殺滅してはいないことを明示した安全性表示をすべきであると提案しています。当局は殻付き卵が流通過程では7.2℃( 45 華氏度 ) 以下の温度で冷蔵、保存すべきであると提案しています。
FDAがこのような規制をとる所以は、腸炎サルモネラ菌を殺滅していなかった殻付き卵を食べたことによりS.E中毒症と死亡事故が多発しているためである。殻付き卵が7.2 ℃ ( 45 華氏度 ) 以下の温度で貯蔵し、そして輸送されるということ、そして、冷蔵が必要である旨の表示を殻付き卵の消費者容器に添付することをFoodSafety 、及び、 Inspection Service ( FSIS ) の規則に追加することになる。同じく FDA の提案は、Rose Acres Farm 社、及び、 Public Interest ( CSPI )サイエンスセンターからの請願にある程度対応したものである 。腸炎サルモネラ菌を殺菌し損なった殻付き卵の摂取による中毒あるいは死亡事故から消費者が自分自身を守ることがこの表示によって可能になるとFDA は推測しています。

24/December/99

手作りホームページ

私が生まれて初めてホームページ(HP)を見たのは1996年の2月であったが、その後4年間この世界で起きた変化はまさに劇的でした。愛鶏園でも若いものが簡単そうに(その様に見える)HPを作ってしまう。プロの人達のそれには比べようもないが、手作りの良さもあるようだ。

1)情報の鮮度第一、賞味期限が大切
 まさに「タマゴ」と同じです。手作りは現場に居るものが必要に応じて即時情報を伝えることができる。どんなに立派なHPでも内容に鮮度がなければただのゴミ!!一度は大きな予算を取って形だけはかっこ良いものを作ってはみたが以後そのままのHPがいかに多いことか。

2)変幻自在
 必要に応じて自由自在に変身できること。お金をかけて立派なHPを作ってしまうと、その形にとらわれてしまいがち。手作りは変幻自在。ネットワークの世界はまさに変幻自在の世界。

3)使えるHPを選び出す
 この4年間で日本国内のHPのレベルが格段に上がった。いまでは仕事その他なんでもそれぞれの分野でプロが見て使えるものが多くなった、嬉しいことだ。愛鶏園は「鶏とタマゴ」の狭い分野ではあるが、使えるHPの選び出しに力を入れたい。この世界のプロがチェックしたリンク集にご期待ください。

私たちが手作りのHPをつくるきっかけを与えてくれたのは東大(先端技研)野口悠紀雄先生のHPでした。先生は専門の経済学者の立場でご自身愛用されているHPを公開されています。心から感謝いたします。 

23/December/99

アトランタ The International Poultry Exposition

世界最大の養鶏大会(展示会)が来年(2000年1月)もアトランタで開催されます。今年(1999年)は参加者26,000人、展示者1,100社でした。

開催日 Jan19−21、2000
場所  World Congress Center Atlanta Georgia USA

詳しくはhttp://www.poultryegg.org/expo/index.htm
名称 The International Poultry Exposition

23/December/99

「鶏卵=コレステロール=心臓病論争」に終止符!?

1999年の春頃から現在にかけてアメリカの新聞雑誌にこの記事が沢山出ていたと聞きます。従来アメリカでは「卵を食べると心臓病に悪い」つまり「鶏卵ーコレステロールー心臓病」の通説により一時は一人年間400ヶ以上卵を食べていたのが最近では230ヶに落ち込んでいました。

今年(1999年)ハバード大学の長期間延べ100,000人による試験の結果、「健康な男女にとって1日一個卵を食べ続けても心臓病とはなんら関係がない」との結論です。

もっと詳しく知りたい方はhttp://www.enc-online.org/GoodNews.htm を見てください。論争の経過と現在の研究成果が出ています。