蛙泳ぎ

このところ晩飯を早めにすませて車で5分のところにあるプールに行くのを日課としている。ゴミ焼却場に隣接して建てられたそれは、経営は深谷市が関与しているのであろうが、お上の仕事にしては実にサービスが良い。冬の間でも夜の9時まで営業しているし、人の休んでいる暮れお正月にも休まず営業していた。

私は子供の頃から自己流の泳ぎで蛙泳ぎしか出来ない。それもぶざまな蛙である。横浜市の田舎にいた小学生のころ、6月になると田んぼに水を引くために小さい川に堰をつくっていた。ここが子供たちには格好の遊び場となっていた。夏は学校の帰り道、学校かばんを道端に放り出して男の子も女の子も丸裸になって水遊びをした。泳ぎ疲れると、田んぼの泥をお互いに擦り付け合って遊んだ。泥で真っ黒に濁った川で泳いで、その水を飲み込んでも皆良く丈夫に育ったものだ。この頃覚えた自己流の蛙泳ぎがいまだに役にたっているから面白い。

遅いこの時間帯にプールに来る者は皆常連さんだ。中には風呂道具持参でゆっくりしていく者もいる。やはり元気の良いのはオバサン軍団である。彼女等は専門の水泳レッスンを受けている者も多いから実に見事に泳ぐ。とても自己流の蛙泳ぎでは敵わない。

プールにサウナがついてるのも嬉しい。ここでも彼女等はとても喧しい。男たちは小さくなっていて、品定めされているいるのはむしろ男の方かもしれない。