日本たまご事情 Bob Sparboe亡くなる その一

今朝、「アメリカ ミネソタの採卵養鶏家Bob Sparboeが10月8日(土)亡くなった」との連絡があり愕然とした。実は同じ週の10月4日(火)、東京でSparboe夫妻と会ったばかりなのである。その時、「明日ミネソタに帰る」と言っていたから、家に戻ってからまもなくの事であったのであろう。

Bob Sparboeに初めて会ったのは1980年、所 秀雄さんの主催された「日米農業者交流の会」に講師として来日された時である。その時に話されたアメリカの養鶏業界の話があまりにも刺激的であったので興奮し、その一ヶ月後彼の農場を訪ねて以来の付き合いである。

彼は享年74歳であるから、私より五つ年上の兄貴分である。彼は死ぬまで現役であった。しかもやることが半端でなかった。彼は自分では喋らなかったが、一代で全米で十本の指にはいる採卵事業グループを作り上げてしまった。アメリカには手本となる採卵事業グループが沢山あるが、その中でも中味の濃さでは彼のものが一段と優れており、私どもの手本としてきた。

夕飯を食べながら奥さんに、「Bobは何時リタイヤーするのか」と聞いたら、あきらめたように両手をあげて「Never!」と答えた。そのとおりになってしまった。アメリカ人の人生にもいろいろあるもんだ。

葬儀の案内状の最後に「Bob lived his dream」と書いてあった。見事な一生である。いまはただ彼のご冥福を祈るのみ。