穀物談義

先日、全国的にも上位の飼料会社のトップと話しをする機会があった。
最近世界的に異常な飼料穀物価格の高騰などが話題になったが、悪いニュースの多い中で良いニュースもあった。

話のなかで、現在養鶏用飼料の原料は大まかに言えばトウモロコシ60%、大豆粕20%でそのそのほとんどを輸入に頼っている、その穀物価格が2005年6月の平均価格に比べて2008年6月のそれは、トウモロコシ3,1倍、大豆2,1倍、小麦2,6倍となったとし、それは国際価格がそれであるから、自国内で生産しようが、輸入に頼ろうが価格の高騰したのは世界中同じであるとのことである。

世界中の養鶏家、畜産家はその飼料高に大きな影響を受けているが、他の産業同様原料高が即製品高にむすびつかないからで、しかしこのような状況はながく続かない、最終的には消費者の負担になる。
ではこのような穀物高で誰が一番ハッピイなのかと話は進んだ、それは世界中の穀物生産農家に間違いない、だが過去長い期間にわたって穀物の低価格に泣いたアメリカの穀物生産者のことを私は知っている、そのお陰で日本は国内で生産するよりずっと安価な穀物を手にいれることが出来た。

何十年振りかで好況に沸く海外の穀物生産農家のことを私はとやかく言う立場ではない、むしろそれを喜んで良いのであろう。
アメリカの例として農業の好況が設備投資を促し、大型の農業機械が導入されて穀物の播種期間が大幅に短縮され、今年悪天候にもかかわらず収穫予想は良好とのことである。
穀物価格高騰の原因ともなったオーストラリアの干ばつも今年はなく、小麦生産は順調であるという、また穀物相場で一儲けしようとした世界中の投資資金もこの分野から早々と逃げ出し、最近穀物相場が急落している。

日本国内で畜産物価格や他の食料品が上がるのはむしろこれからで、今までそれらは生産者の負担となっていた、私が言うのも可笑しいが消費者の人たちが食料品の値上がりに対抗するには、無駄をなくしその買う量を減らす以外にない、そしてすでにその動きは始まっている。
話の結果、消費者も養鶏生産者もしばらくは辛い時を過ごすが、先が見えてきたのは嬉しい。