「ぐうたら」シリーズ

寝る前にちょっと本を読むことにしている。
ごろりと寝ころがって読むのだから、一ページも進まないうちに眠くなってしまうこともあれば、時には面白くなって読み続けることもある。
私の場合、70歳を超えてから夜更かしするとろくなことはない、夜遅く起きていても朝は早く眼が覚めてしまうのだから、次の日は昼間なのに眠くてしようがない、頭はぼんやりするし元気が出ない。

そこでちょいと工夫してみた、寝る前はあまり刺激の強い本など読まないことだ、眠気を誘うために読むのにかえって覚せい剤になってしまう本があるので、最近はもっぱら笑える本にしている、寝床の中で笑いすぎて咳き込んでいる姿はあまり見られたものではないが、、、。

近頃、寝る前はもっぱら遠藤周作の「ぐうたら」シリーズを読んでいる。
そのなかに、秀吉がそのカミさんである’ねね’の便秘を気遣って旅先から出した手紙「下剤を使って、すこしウンコが出るようにしなさい、ウンコが少し出れば良くなるぞ。かしく」(遠藤訳)にまつわる話には笑いころげた。

遠藤周作はこのような肩のこらない文章を書くと同時に、気の重くなる深刻な小説を数多く書いている、代表作といわれる「沈黙」は江戸時代の隠れキリシタン時代、日本に潜入したスペインの宣教師の行動を追ったものであるが読んでいて恐ろしくなり鳥肌がたつほどのものであった、それを寝る前に読んだものだからたまらない、それからはその手の本は明るいうちに読むことにした。