100歳老人

新聞を見ていたら100歳以上の高齢者が今年の9月36千人を超え38年間連続で過去最多を更新し、最近その増えるピッチが更に上がっているとのことである。
この世代の方々は青年時代戦争を体験され、30代で敗戦をくぐり抜けた人たちである、その仲間の人たちは多く戦争に倒れ、また戦後の混乱のなかで不運にも若くして亡くなれた方が多い。
まさか自分たちが100歳を超えて生き残るとは思っていなかった人たちだけに目出度いことだ。

この世代の方々が体験されてきたことはまさに劇的であって二度と再現できるものではないが、何故最近この世代の人たちが急速に100歳以上長生き出来るのであろう?
勿論、戦後一貫して続けてきた衣、食、住の改良改善もあるであろうし、医療技術の進歩またそれらを支える社会システムであるに違いない。
しかしなんだかんだと言っても戦後貧乏国日本が一生懸命働き、豊かになり、それらを可能としたことに間違いない。

私の関係してきた‘食‘の世界のことは少しは分かる。
私自身覚えているだけも過去60年間の食生活の変化は物凄い、大げさに言えば歴史家はこう言うであろう「かって日本人が経験したことのない食生活の変化が短期間のうちに起きた」と。
端的に言えば肉、牛乳、卵などを今までより沢山食べられようになったのである、このことが100歳老人を増やす一因となったに違いはない。

昨年、男子世界一長寿者は宮崎県の田鍋さん112歳でギネスブックに載っているそうだが、彼は牛乳が好きで毎日飲んでいるそうである。有名なお医者さんで牛乳を飲むと長生き出来ないと書いてある本がベストセラーになるなど世の中わからないが、食生活が豊かになり、その選択の巾が広くなることが長寿に結びつくことだけは間違いない。