ニッポンの農力

櫛挽

ニッポンの農力

新聞は日本経済新聞(日経)を主に読んでいる、たまに朝日新聞を覗くがほとんどこれは読まない、ニュースはネットとテレビで見るが、じっくり問題を掘り下げてくれるのは新聞が優れている。その日経が先週「ニッポンの農力」というタイトルで大々的に特集を連載していた、日経にしては珍しいことである。

新しい切り口でとらえたその特集はとても刺激的であった、ともすれば日本の農業はその弱点やマイナス面のみが大きくクローズアップされがちだが、実際には日本の農業の現場では新しい動きが始まっていることを報告していた。

従来の農業分野からではなく、流通、加工分野あるいは建設業など他の産業から新しい経営感覚で農業に参入し成功している事例などを紹介し、規制をはずして農業分野に新しい智慧と資金をどんどん導入しなければ日本の農業は早かれ遅かれ行き詰まるとした。

最近の中国の農業事情を調べた報告によれば、農業を有力な輸出産業としてとらえ生産、加工、販売まで一貫して行う農企業集団(竜頭企業)が成長し、ある意味では日本より資本主義的な経営体が多く出来ているというのだ、農業分野でも激しい経営競争が行われどちらが資本主義の国であるのか分からないとしていた。

このような国が隣で日本の食べ物マーケットを狙っている、今回の選挙で自民、民主ともただ選挙に勝ちたいだけで農業分野に金をばら撒く約束をしているが、それは解決にならず、とても苦しいが世界との競争に耐えなければ生き残れない、そのためには「なんでもあり」の世界を日本の農業者は覚悟せざるをえない。

幸か不幸かたまご屋は日本の農業分野のなかではひと足先にその経験をさせられている。