先輩の死

さつま芋

先輩の死

また一人先輩を亡くした、とても悲しい。この歳になればそれが当たり前のことになるのだがとても辛い。

長いお付き合いで日ごろ近くに住んでいられても、ちょいちょい話しを交わす訳でもないが、この人がじっと見守っていてくれると思うだけでこちらは安心する、そのような先輩を今年すでに二人亡くしてしまった。

長年つれ添った相棒を亡くされた方がよく言われる「なにか穴の開いたようにとても淋しい」気持ちには比べようもないが、それに近い気持ちにさせられる。

40年前、だれも知り合いのない深谷の地に一人でやって来て以来、農場を作るためいろいろな人たちに世話になり迷惑をかけたりした、多くの人たちに出会うなかで、真似出来るわけではないがこの様に生きられたらまた死ねたらいいなと思う方々にもお会いすることが出来た、そのうちの一人の先輩であった。

いつでも死は突然やってくる、弟の場合も病床で覚悟していたとは言っても二日前まで私と大きな声で2時間も話していたが逝くときは突然であった。まして先輩の場合は直前まで元気良く、日課にしている犬との散歩を終えいつもどおり風呂に入っていてその最中に倒れられた、その時間が少し長いので奥さんが覗いたところ最初は居眠りしているのかと思うほど姿勢を崩さず静かにされていたという。

80歳を越え最後まで元気で人に迷惑をかけず、その直前まで動き回っていられた、、、誰もが願う最後であるがそのようにならない事のほうが多い。

残された者にとってはどのような別れでもたまらなく悲しい、今はただご冥福を祈るのみ。