弟逝く

二年もたたない間に二人の弟を亡くした。
2007年の5月カミさんの弟66歳、そして先週末、実の弟67歳をいずれも癌で失った。
二人とも養鶏の仕事を私と長く一緒にやってきたのでたまらない思いである。

兄弟で同じ仕事をする場合良いこともあれば難しいこともあった。
義理の関係であれば言いたいことも我慢しがちで、不満がたまり時には大きな爆発になったこともあり、一方実の弟であればお互いに遠慮が無さ過ぎて、みっともない喧嘩を繰り返したりした。
半面、仕事がピンチになった時など本当に頼りになったのは弟たちであった。

先週、亡くなる二日前弟を病院に訪ねると身体の調子が良いらしく一時間近く一人で喋っていた、つれあいから予断を許さないと云われていたが、当人は勿論私もまさか二日後この世を去るとは思いも及ばなかった。
今になって思い返してみると、最後にお互いに取り交わした話の内容がいつものそれとは違ったものであったことと、顔の表情がとても穏やかになっていたことが妙に気になっていた。

人の死はいつでも突然にやってくるようだ、我々凡人にはそれを準備して向かえる事など到底できない。
わずかに出来ることと云えば、今日一日を精一杯生きて夜寝る時に、神様、仏様、ご先祖様、家族、鰯の頭?、、、何でも良いから「今日一日を有難うございました」と云いながら眠りにつくことと、いつでも今日が最後の日になるかも知れないと腹を括るしかない。