頭の体操 その三  スクエヤ−ダンス

頭の体操 その三  スクエヤ−ダンス

2001年6月に脳梗塞で倒れた時は65歳であった、仕事が面白い最中でやる気まんまんであったが体力がいつの間にか落ちていたのであろう、一番弱いところの脳がやられた。幸い大事に至らず生き延びることが出来た、いま身体的な障害は外見的にはほとんど目立たない。しかし脳の受けたダメージは本人が云うのもおかしいが予想以上に大きい。

なんでもない動作が出来なくなったり、計算機能が特別弱くなったり数えあげたらきりが無い。良くなった部分も無いではない、気に入った音楽、絵画、本などに触れるとやたら涙が出るようになった、よく云えば感受性が良くなったのであり、あるいは単に涙もろくなったのかも知れない。

その病気以来、カミさんの薦めでリハビリのために始めたスクエヤ−ダンスをまだやっている、もう丸9年になってしまった。音頭とり(コーラー)の掛け声とともにその動作を頭で理解して間髪入れず踊らねばならない、なにしろこちらは頭で理解する部分と運動する部分の回線が切れているので、簡単な踊りでもこれが出来ない、何度も投げ出そうとしたがカミさんが許さない、石の上にも3年ならぬ9年かかってやっと人並みに踊れるようになった。

壊れかかった脳でも繰り返し繰り返し頭の体操をしていれば新しい脳の回線が出来てくるものらしい。