シルクロード 一 玄奘三蔵

シルクロード 一  玄奘三蔵

NHKオンデマンドで30年ほど前のNHK番組「シルクロード」を見始めてから半月たった、全部で30回シリーズのうち半分を見終えた。1回分が50分なので私にしてはかなり熱をいれてテレビを見たことになる。テレビを見て感動したのは久しぶりだ。

30年前の西安の街(昔は長安)を行きかう人々の服装は男も女も人民服と人民帽が主流であったし、交通手段は自転車が主で、車といえば軍用車が巾を利かせていた、私がはじめて中国を訪ねた30年前の北京も同じ状態であった。

A.D.627年、27歳の玄奘三蔵はインドのナーランダを目指して長安を旅立った、このシルクロード敦煌楼蘭、タクマラカン砂漠、ガンダーラを経てナーランダへたどり着いた、一年以上の行程であったと言われている。テレビで映し出されるシルクロードの砂漠や天山山脈のもの凄さはお茶の間では想像もつかない。

玄奘三蔵が旅したころ栄えていたシルクロード沿いの仏教都市は現在ほとんど廃墟となっていた、これは主にイスラム教の進出による破壊の後が痛々しい。肝心のインドではいま仏教は廃れヒンズー教に飲み込まれてしまった。

玄奘三蔵が18年間かけてインドで仏教を修め、経典を中国に持ち帰り、そして更に漢字に翻訳するのに20年を必要としたと言われる。これらが無ければ中国を始め韓国、日本など漢字圏の仏教繁栄は無かったと言われる。

このシルクロードを通って伝わった仏教が現在中国、韓国以上に日本で根をおろし盛んなことに感慨を覚える。

この番組は後半さらに灼熱のイランを経てローマに到達するのだ、テレビに映る人々の顔つきが東洋人からだんだんと西洋人に変わっていくのも面白い、続きが楽しみである。