肥る

肥る

最近、街で中国人と思われる旅行者に良く出会う、彼彼女らはどちらかと言えば肥りぎみである。海外旅行できる位だから、一部の富裕層なのだろう。
私が住む深谷市の農村部には数多くの中国青年が農業研修生として働き、また町では縫製業などで若い中国女性が働いている、彼彼女らはほとんど痩せている。
50年前、私が農業実習生として米国カリフォルニア州で働いていた時を思い出す、50人の実習生仲間は2-3の例外を除きいずれも痩せてヒョロヒョロしていた。当初、アメリカ人やメキシカンの農場労働者に比べ仕事で負けたが、現地の豊富で栄養のある食料を摂るうちに体力がつき互角で仕事が出来るようになった。私らは研修の終わる一年後にはほとんど肥っていた。
アメリカでの豊かな食生活を目指し、日本はこの50年間頑張ってきた。この短期間のうちに日本の歴史上初めてと言われるほど劇的に食生活の内容は向上した、それどころか栄養過剰が問題となるほど贅沢で有難い時代になった。
しかし私はこの有難い時代がいつまでも続くとは考えない、日本のように食糧、石油その他資源も海外に頼る国がこれほど豊かに暮らしていけるのは何故だろうと問い続けている。