たまご屋爺さんの独り言 歳をとること  20201011

たまご屋爺さんの独り言 歳をとること  20201011


今から13年前、ちょうど七十路に入りたての頃、博識の先輩Uさんに「歳をとるとはこう云うことだよ」と江戸時代の武士で俳人横井也有(1702−1783)の残した狂歌を教えてもらった。

作者は80才を超えて亡くなっているから当時としては長命であったのであろう。


これを読んでその時は他人ごとのように面白がった。

しかし最近の私(84)は身に覚えのあることばかりなので身につまされる。

江戸時代と今も変わらない。


狂歌七首 横井也有(耳袋 根岸鎮衛より)


1 しわがよる、ほくろはできる、背がかがむ、頭がはげる、毛が白くなる。

2 手は震う、足はよろつく、歯は抜ける、耳は聞えず、目はうとくなる。

3 またしても、同じ噂に、孫自慢、達者自慢に、若きしゃれ言。

4 よだたらす、目しるはたえず、鼻たらす、とりはずしては、小便もする。

5 くどくなる、気短かになる、ぐちになる、思いつくことみな古うなる。

6 身にそうは、頭巾(ずきん)、えり巻、つえ、めがね、湯婆温石(ゆたんぽおんじゃく)、しびん、まごの手。

7 聞きたがる。死にともながる。さびしがる。でしゃばりたがる。世話やきたがる。


ちなみに4の「とりはずして」は屁をすることとある。

 

 

櫛引(深谷市)にて

 

 

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