たまご屋おやじの独り言 2000年12月


たまご屋おやじの独り言 2000年12月

22/December/00

FASS報告(10) 結論

結論

FASS(家畜学会連盟)によって GM フィードを給与した家畜に関する学術論文が再検討された。その結果以下のように結論された。

■ 家畜へのGM飼料の給与は全く科学的に判断さるべきである。

■ 生物工学技術の使用は、農作物及び、畜産製品を改良するのに不可欠であろう。

■ 農業生物工学は、家畜用飼料、健康な家畜、植物性食品の供給量を改善出来る。

■ 肉、ミルク、及び、卵の安全は、 FDA 、及び、開発者によって科学的な危機評価手順によって十分に確認される 。

■ GM飼料を給与された家畜により生産された肉 、ミルク、及び、鶏卵は、人間が食べても安全である。


さらに情報が欲しい場合は、畜産学会連盟に連絡してください。

畜産学会連盟(FASS)は、あらゆる畜産物の改善に携わる学会、政府関係者、産業界の約 10,000 人の科学者で構成された専門的な組織である。FASS は、米国の酪農学会、米国畜産学会、及び、家禽学会の連合体である。

FASS 
1111 North Dunl ap Avenue Savoy, IL 61874
電話 : (217) 356-3182
ファックス : (271) 398-4119
電子メール :fass@assochq. org
www.fass.org 4

21/December/00

FASS報告(9)  肉、ミルク、鶏卵に識別レッテルを貼るべきか?

肉、ミルク、鶏卵に識別レッテルを貼るべきか?

FASSは肉、鶏肉、鶏卵、乳製品にGM識別レッテルを貼るという難問の存在を認識している。FASSはレッテルには賛成出来ない、なぜならGM飼料由来肉、ミルク、鶏卵は通常飼料により生産されたものと何ら変わらないという科学的真実が厳然と存在するからである。

FASS はGM識別レッテルを貼ることが消費者に有意義であり、ある目的に役に立つのであれば支持しよう。FASS は、もし製品が変化しているならば識別レッテルの添付に賛成するであろう。しかしながら、食品が本質的に同一であるにも拘わらず識別ラベルが添付されたとしたら、何の差もないにも拘わらず栄養の質と安全性に差があると暗示していることになってしまう。

20/December/00

FASS報告(8) 肉、ミルク、卵は、食べても安全であるか ?

肉、ミルク、卵は、食べても安全であるか ?

はい。GM フィードを摂取した家畜、及び、家禽からの肉、ミルク、及び、卵は、安全であり、更に人間が食べても安全であろう。2020年には全世界の肉、ミルク、及び卵といった蛋白質消費は、「家畜革命」により劇的に増加するであろうと予測されている。従って、GM作物と動物性食品によって、我々は世界の人々特に発展途上国の子供達に貢献するであろう。

19/December/00

FASS報告(7) 肉、ミルク、及び卵の栄養素は異なるか ?

肉、ミルク、及び卵の栄養素は異なるか ?

GM飼料を給与した家畜から生産された肉、ミルク、鶏卵は通常の飼料により生産されたものと同一である。

飼料の殆どの成分は動物による消化の間に更に小さい組成に分解されるので、植物蛋白質はミルク、肉、及び卵には検出されなかった。

GM 作物に由来するDNAまたは他の蛋白質は、肉およびミルクには認められなかった。

18/December/00

FASS報告(6) GM フィードは、家畜に対して安全であるか ?

GM フィードは、家畜に対して安全であるか ?

安全である。 GM飼料は、家畜にとって安全である。家畜の消化および栄養素の吸収のしかたは従来の飼料と同じである。家畜の消化過程で、飼料中の栄養構成物は分解され、家畜の発育・成長に使われる。

家畜は有毒物が存在した場合にはそれを減毒、無毒化、あるいは識別することによってヒトの食料供給源を保護していることが夥しいデータにより証明されている。

更に、在来飼料、GM飼料何れを給与しても、家畜の発育、乳生産、乳組成、健康状態は同一である。20種類以上の家畜の飼料の成績について研究された。これらの研究すべてが、GMコーンまたは、GM大豆粕は通常の穀類により作られた飼料と同等であることが証明された。

15/December/00

FASS報告(5) GM 作物には好ましくない蛋白質、あるいは、栄養素拮抗物があるか ?

GM 作物には好ましくない蛋白質、あるいは、栄養素拮抗物があるか ?

否、 GM には好ましくない蛋白質、あるいは、栄養素拮抗物は存在しない。FDAは、コンサルテーションの過程で、食物の栄養的な品質、または、安全に影響を及ぼすであろう新奇な好ましくない物質を持つ作物についてはその開発を支持しないであろう。現在のGM作物に由来するコーン、及び、大豆のような家畜飼料の栄養品質に及ぼす影響を調査するため、従来のフィードと比較検討した。

これまでに開発された全ての作物には、栄養素拮抗物、または、好ましくない蛋白質は、確認されなかった。

14/December/00

FASS報告(4) GM 作物の栄養素は異なるか ?

GM 作物の栄養素は異なるか ?

いいえ、 GM作物の栄養素は、従来の作物の栄養素と異るところはない。米国海外食品薬品監督局は米国の食品および家畜の飼料を監督している。人間の食品および家畜の飼料の自発的相談を通じて40種以上のGM作物が市場に向けて開発されている。

飼料組成の変動について、在来種と、GM作物である全粒コーン、粉砕種子付きコーン茎葉、コーン茎葉 、及び大豆が比較された。研究の結果、GM飼料と在来飼料の間の、蛋白質、炭水化物、脂肪、エネルギー、アミノ酸脂肪酸、ミネラル、ビタミン、及び、GM 、及びその他の組成は、同等であり、学術報告にある正常な範囲にあることが明らかとなった。

栄養素の同一性とGM作物の他の多くの利益に鑑みて、FDA は、それらの開発を支持した。

13/December/00

FASS報告(3) なぜ、農場経営者は、 GM 作物を栽培するのか ?

なぜ、農場経営者は、 GM 作物を栽培するのか ?

農場経営者は、それらが従来の作物より確実であり、利益が上がるために GM 作物を栽培している。

最初に、害虫耐性を強化された作物への殺虫剤の使用量が減少する。コーン、綿及び大豆の収量は、多くの場合において増加する。栽培者はこれら多くの費用節減による利益を享受する。全体的には1 エーカー当たりの作物生産コストが減少し、そして低減されたコストのいくぶんかは最終的には消費者に還元される。

米国で最初にGM コーン、及び、大豆の種子が販売されたのは1996 年で、その作付け面積は年々増加しつつある。1999 年作付けされたコーン、及び、大豆の三分の一がGM 作物であった。


農場経営者は幸福であるかも知れないが、我々の利益になるのか ?

消費者は、低い価格、及び、更に高品質の製品という形で GM 作物の利益を得た。将来において、消費者は、GM 作物の利用利益は増大し、GM 技術が発展しより洗練されているのを目撃しよう。

例えば、 Bt コーンと呼ばれるコーンは、ヨーロッパのメイガと呼ばれる一般の害虫から保護されるように育てられた。これは、フモニシンと呼ばれるマイコトキシンを生産する菌の感染によるトウモロコシの損害を減少させる。フモニシンは、人間の発癌物質であることが証明されており、従って、コーンベースの製品からフモニシンに人間が暴露される危険は、遺伝子組み換えのおかげで減少しつつある。

植物中の栄養素レベルや他の有益な物質が強化された多くのGM作物があろう。例えば、「ゴールデンライス」は、ビタミン A 、及び鉄のレベルが増加するよう開発されている。ゴールデンライスは、世界中のビタミンAが欠乏している人々に多大の栄養と健康をもたらす。またある植物は栄養強化油脂を産出して、食物の貯蔵寿命を改善する。

12/December/00

FASS報告(2) 家畜は遺伝子組み換え飼料を食べるか?
 
家畜は遺伝子組み換え飼料を食べるか?

はい、家畜は何年間も遺伝子組み換え飼料用穀物を与えられた。

最近の家畜飼料用穀物は、遺伝子組替による DNA 技術のような近代農業生物工学を用いて改良された。遺伝子組替による DNA 技術はしばしば遺伝子工学と言われてきた。近代農業生物工学手法で開発された穀物は、従来の植物栽培手法を用いて開発された穀物と対照して遺伝子組み換え ( GM ) 作物と言われる。

主な改善点は二つあり、除草剤に抵抗性のある穀物の作出、あるいは有害昆虫に抵抗性のある穀物の作出である。

在来法、生物工学技術何れもが農業には非常に利益になった。なぜなら、飼料が豊富に供給され得るからである。投入費用が低い場合、肉、ミルク、及び卵の消費者による購入費用も安くなる。実際、米国において我々は農業生物工学が鍵となっている
 
農業システムの成功のおかげ世界の他の國に較べて食物に費やす可処分所得金額が低くなっている。

11/December/00

FASS報告(1) 遺伝子組み換え飼料を給与した家畜から生産された肉、ミルク、及び、卵は食べても安全か?(原文 http://www.fass.org/

遺伝子組み換え飼料を給与した家畜から生産された肉、ミルク、及び、卵は食べても安全か?

安全です!

背景 
 遺伝子組み換えという言葉が、最近大いなる論争を誘発した。
 遺伝子組み換えを「人工的」と解釈する活動家グループによってさらに論争に火が焚きつけられた。しかしながら、それは多くの利益を消費者にもたらす注目すべき技術である. 不幸にも米国人はこの技術の光と影を見分けるのに必要とする情報を持たない。

今日の遺伝子組み換えは、従来の育種による何世紀もの間行われてきた−穀物や食べ物の持つ望ましい特性を開発するための努力に較べて、簡単かつ正確な方法である。

それらの特性とは、害虫への抵抗性を高めて殺虫剤の使用量を少なくしたり、更に高い収穫をもたらすとか、改良された栄養特性を改良することでより食べやすくする等である。

伝統的な従来の植物育種は試行錯誤によって行われた。科学者は各植物が所有する100,000 を超える遺伝の特性からある特性を引き出し、それらを種を交配して成長させるのに10-15年を費やしてきた。

菜種Canola 油は、このタイプの雑交配による成功の一つであった。菜種油は実際、栄養的に不適当な特性が遺伝的に改良されるまで人の食用には供されず工業用の潤滑油として使用されてきた。今日では菜種canola油は、食品市場最も健康的なオイルである。

今日の大部分の食物、コーン、小麦、及び、トマトなどは、長期間にわたる従来の育種手法の成功話である。しかし今、遺伝子組み換えによって、望ましい特性は、選り分けられ、そして、より迅速に組み込まれ、その結果を見るために十年間もかかるというようなことはない。

遺伝子は特定の種特有なものではないことを理解することは大切である。同一遺伝子の源は、多数の種に存在している。新しい遺伝の材料は、新しい植物にえり抜きの特性を加える。これらの特性、または、特色は、全ての人の利益になる :即ちあなたと、農場経営者の両方である。

8/December/00

遺伝子組替飼料使用のタマゴは安全か?

「遺伝子組替飼料使用とタマゴの安全性」、もっと正確に言えば遺伝子組替技術により生産されたトウモロコシ、大豆その他を原料とした飼料により生産されたタマゴは安全か?となります。

消費者の皆さんが感じている不安に率直に答える必要があります。

現実には今国内で使用されている飼料用トウモロコシの30%前後がそれに相当します。疑わしきは使用せずで済むボリュームではありません。

この問題は政治的に利用されたり、消費者の不安をやたらに煽るグループに利用されたり問題点を複雑にしています。

一般的なマスコミは好んで不安材料を取り上げます。真面目で科学的な議論はともすれば後ろに隠れ勝ちです。

11月14日、アメリカFASS(Federation ofAnimalScienceSocieties) http://www.fass.org/ から「遺伝子組替飼料使用のタマゴ、肉、牛乳は安全である」とのプレスリリースがありました是非ごらんください。

この団体はアメリカ酪農科学学会、家禽学会、動物科学学会の連合体です。

8/December/00

遺伝子組み替え稲開発に反対?

今日(12月6日)の日本農業新聞に、ある市民団体が農水省に「組み替え稲開発に反対署名12万人分手渡す」とありました。

これはどう考えてもおかしなことです。「組み替え稲開発」は日本の食料自給のためにも大いにやってもらいたいことです。

遺伝子組み替えで生産された米の安全性については充分に科学的な検証が必要なことは当然です。開発そのものに反対する理由はなにもないのです。

植物の育種改良は自然に起きる突然変異(遺伝子組み替え)を利用し膨大な時間をかけてつくりあげたものです。不要、有害なものは捨て、人間に都合の良いもののみ残して現在に到っています。人工の遺伝子組み替えでも同じことです。

「食料の安全」を錦の御旗としてなんでも反対する人達は、いざ食料不足になった時一番最初にパニックになる人達でしょう

人類はなんでも食べて生き延びてきたのです。そんなヤワならとっくに人類は滅びています。