たまご屋おやじの独り言 2002年1月

たまご屋おやじの独り言 2002年1月


28/January/02

世界の鶏卵生産と中国 (4)中国の鶏卵産地

前回、中国は既にとてつもない鶏卵の生産国であることを述べました。それもこの10年間に劇的な拡大が行われたのです。それは中国全土万遍無く行われたものでは無く、一部の省に集中的に起きました。

 主な鶏卵(類)生産省と生産量

        1999年         1990年  比率(99/90)
 
1:山東省  3,491(千トン)     1,243(千トン)  2,8倍
2:河北省  3,386            513       6,6 
3:河南省  2,518            596       4,2 
4:江蘇省  1,682            897       1,8 
5:遼寧省  1,344            452       2,9 
 5省小計 12,412( 58)      3,701( 46)   3,4
中国合計  21,347(100)     7,946(100)  2,7
         
これはアヒル卵を含めた鶏卵のデータですが、とにかく中国全土でこの十年間で生産を2,7倍にし、特にトップ5省で全国の58%を生産している。

日本の生産量を上回る省が三つあり、急速に生産を拡大しています。それらはいずれも沿岸地域にあり、経済発展の著しいところです。

実はこのデータは世界に冠たる商社M社のものを拝借しました。そのオリジナルは不明ですが感謝。

16/January/02

世界の鶏卵生産と中国 (3)世界三大鶏卵生産国

中国の統計は良くわからないのですが、特に政府のそれは尚更です。
言ってはならないのですが、政治的な意図でそれはどうにでも変わるからです。
もっとも人口ですら正確につかんでいないのですから、まして鶏卵の生産量においておやです。
そこで各種組織が推定するわけです。
 
その点日本の畜産統計は諸外国のそれに比べてダントツに良いのです。

何故ならそれは畜産に使用される配合飼料が正確に補足されているからです。特に鶏、豚関係はほとんど輸入飼料ですから完全に補足されます。

各国の鶏卵統計値を比較するとき気をつけねばならないのは、生産個数を中心にしている国々(例:アメリカなど)と重量中心(例:日本など)のそれがあるのです。正確な比較は難しいのですがおよその見当がつきます。それでも中国がずば抜けた鶏卵生産国であることは間違いありません。

         鶏卵生産量      人口       一人当たり鶏卵生産量
      
1:中国     1886万トン    1259百万人        15Kg
2:USA   501万トン      276百万人        18Kg
3:日本      252万トン     126百万人        20Kg
 
                            (1999 IEC)

1999年世界の鶏卵生産量は49.7(百万トン)と推定されますから、中国は驚くなかれ世界の4割近くを生産していることになります。  

11/January/02

世界の鶏卵生産と中国 (2)中国の鶏卵生産量

もう少し詳しく中国の鶏卵生産量をみてみよう。

IEC(Internatinal Egg Commission)2001June30のレポートによれば、従来は政府の公式統計を利用可能であったが近年市場経済に移行してからこれが出来なくなった、そこでIECでは各組織による推定鶏卵生産量を採用した。

1:Hanwei Group(中国最大の養鶏グループ)による推定
          卵生産量
 2000     18,866,000トン
 1999     18,504,000トン
2:FAOによる推定(Hen Eggのみ)
          卵生産量
 2000     19,234,960トン
 1999     18,509、960トン
 1998     17,530,620トン
3:USDAによる推定(box=360ヶ)
          卵生産量
 2000     1、033,333,333boxes(60g/ヶとしても2231万トン)
 1999     1,013,888,889boxes
4:Europian Commissionによる推定
          卵生産量
 2000     1、094,444,444boxes(60g/ヶとしても2363万トン)
 1999     1,042,500,000boxes
 1998     1,009,250,000boxes

尚、IECについては http://www.internationalegg.com/を見られたし。    

各組織によって推定値は違う、HanweiとFAOは大きく違わないが個数で推定するUSDA,ECのそれとは違いすぎる。

またこの推定値は鶏卵のみなのか、アヒル卵を含めたものなのかはっきりしない。

それにしても、少ない推定値を使用しても一人当たり鶏卵生産量は相当なものになる。  

10/January/02

世界の鶏卵生産と中国 (1)ダントツに世界一の鶏卵生産国

日本でなんの仕事をしているにせよ、今後中国のことを抜きに考えられません。鶏卵産業も例外ではありません。

中国の鶏卵生産の実態は統計としてはしっかり把握されてなく、いろいろな組織が勝手に推定しているのが実情のようです。「群盲象をなでる」の感がありますが、それぞれの見方をみてみましょう。

FAOのTed Gillinによれば
1:1900−2000年世界の鶏卵生産量は
  37.8(百万トン)から55.0(百万トン)に拡大した
2:拡大分17.2(百万トン)のうち15.1(百万トン)は中国によるもの
3:その他拡大の目立つ国は
  Mexco  (+700、000トン)
  India   (+500,000トン)
  Brazil   (+200,000トン)
4:2000年中国の鶏卵生産量は22.3(百万トン)と推定される
5:2000―2015年世界の鶏卵生産量は
  55.0(百万トン)から72.2(百万トン)に拡大するであろう
6:中国は同時期5.0(百万トン)の拡大が予測される
7:その他拡大が予測される国は
  Mexco  (+2、310、000トン)
  India   (  +810,000トン)
  Brazil   (  +470,000トン)

Tedによれば、過去10年間で中国は鶏卵生産量において劇的に成長した唯一の国であり、世界でダントツの生産量を誇り、今後の世界の鶏卵生産を考えるとき中国はそのKeyとなるとしている。

この中国の鶏卵生産量は22.3(百万トン)のなかにアヒルの卵が含まれるか不明。   

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