たまご屋おやじの独り言　2003年1月

19/January/03

米国カリフォルニア州知事Gray Davisは１月８日（水）遂に州の家禽産業に緊急事態を発令した

齋藤　富士雄＠愛鶏園です。
お正月早々物騒な話ですが、米国カリフォルニア州知事Gray Davisは１月８日（水）遂に州の家禽産業に緊急事態を発令した。

ご存知のごとく、昨年の秋頃から主として南カ州のペットの家禽類にニューカッスル病（Exotic NewcastleDisease）の発生が見られ、移動禁止、殺処分などを部分的に行ってきた。ところが最近採卵養鶏にも飛び火するにいたって緊急事態の発令となった.。この地域はかって全米でも有名な採卵養鶏地帯であり、戦後日本の採卵養鶏の勃興期に手本になったところである。
　
衰えたとはいえ、カ州の家禽産業は採卵、ブロイラー、七面鳥を含めて３０億ドルのビジネスであるから知事が乗り出した。カ州南部全体に検疫地帯を広げると同時に殺処分にともなう予算措置、獣医師の配備などが緊急事態の発令に含まれる。既に採卵鶏１．２百万羽が殺処分されている。

通常のワクチンプログラムでは勢いのついたＮＤをコントロール出来ないところにこの病気の怖さがある。
幸いなことに日本の養鶏業界は近年大きな病気の問題はなかっただけに、油断しがちだ。

19/January/03

＜日本たまご事情＞サンダカンの墓

齋藤　富士雄＠愛鶏園です、今年もよろしくお願いいたします。さてボルネオ島の話を続けます。　この島を訪ねると決まりましてから「サンダカン８番娼館」の事を思い出しました。この島の首都は今はコタキナバルですが、以前は確かサンダカンの筈です。本屋でかっての山崎朋子のベストセラーをようやく見つけ出し、運良く同著者の「サンダカンの墓」まで手に入れる事が出来ました。

これは約１００年前のこと、日本がまだ貧しく、九州天草地方の少女達が女衒（ぜげん）に騙されて娼婦としてサンダカンに売られた悲しい「からゆきさん」を取り上げたものです。

そこは甥の結婚式のあったコタキナバルからジープで５時間、アジアで一番の高山キナバル山（４１００M)の麓を越えてゆくものでした。今でこそ立派な陸路がありますがありますが、当時は深いジャングルを踏み越える法はなかった筈です。

サンダカンの街は海を前にして強い日差しの中にありました。訪ねたそのあたりがかって何軒かあった「日本人娼館」跡の筈でしたが、今は中国人が経営する２階建ての共同商店街になっておりました。

「サンダカン８番娼館」のおカミ「木下クニ」さんと多くの「からゆきさん」の墓は港を見下ろす小高い淋しい所にありました。クニさんは日本人娼館のおカミながら日本に帰らず、病に倒れた多くの「からゆきさん」を自費で墓を建て弔い、自身もそこに眠っているのです。

山崎朋子によれば、これらの墓は母国日本に背をむけて建っていると書いてありましたが、それは外国からの船が出入りする港を見下ろす向きに建っており、帰ることの出来ないはるか遠い日本への想いを、その外国船に託したと考えたほうが自然です。

19/January/03

謹賀新年　齋藤富士雄

謹賀新年
２００３年　元旦

今年も皆様にとりまして良い年でありますように。

一昨年は思わぬ病気をしまして、皆さんに大変心配をおかけしました。
病気をしますと、今まで無事に過ごして来られた事がどれだけ有り難かったかが身に沁みます。他人の心の痛みがよく分かりますし、やっと人間として一人前になった気分です。

幸い時間がありましたので、ニワトリ仲間には「niwatori」、友人たちには「ぶらぶら通信」、広く一般のひとには「電子耕」に＜日本タマゴ事情＞の投稿、などいずれもコンピュータによる手紙にてこの一年間近況などを知らせる事ができました。病気または高齢になると世の中から疎遠になりがちです。有り難い事にネットはそれを繋いでくれます。良い時代に生まれたものです。お金の話で恐縮ですが、同じことを葉書にて出すとしたら郵便局に支払うだけで月額３０万円は超えてしまいます！

これから出来る事,出来ない事などじっくり考えてお正月を過ごしたいと思います。