さくら談義

春爛漫に浮かれ出て山梨まで花見に出かけた話をしたが、「ほうとう」をふうふうつつきながら桜談義をくりひろげていた。
同行したU先輩のソメイヨシノについての薀蓄に誰も敵わない。
曰く日本中の桜のやく8割がソメイヨシノであること、そのすべてが遺伝子的に同じクローンであること、つまり元はすべて同じ一本のソメイヨシノから始まっていること、遺伝子的に単一であると病気などに弱いこと、、、などとどまることがない。

ソメイヨシノはせいぜい50-60年の寿命で、あまり長寿でないのではという小生の疑問などいとも簡単に答えてくれた。
なんでも弘前市にあるソメイヨシノは樹齢130年を超え元気であると言う。
青森県の林檎栽培技術に樹木を若返りさせるのに強剪定法というのがあって、太い枝を思いきって切り落とす方法とか。
色々な技術を組み合わせると立派に長生きするそうだ。

江戸時代中期から後期にかけて江戸の植木職人の集まった染井村がソメイヨシノの発祥の地とされているが、瞬く間にこれが日本中に広がったとは凄いことだ。
よほど日本人は桜が好きなのだろう。

商売の話で恐縮だが、いま日本で採卵鶏の品種についても、もっと劇的なことが起きている。
ここ4-5年の間にドイツの育種会社L社の白色レグホーンに50%以上席巻されてしまったのである。
経済性が優れ日本のマーケットに良く適応したためこのようなことが起こった。
日本の採卵養鶏家のためには複数の品種が並行して、それぞれの特色をいかして存続することが望ましいが、現実には競争が厳しくそうはなっていない。

ソメイヨシノを見るたびに単一品種の脆さを感ぜざるを得ない。