たまご屋おやじの独り言 2003年11月

たまご屋おやじの独り言 2003年11月


22/November/03

「いわれなき鶏卵のQ熱汚染キャンペーンに反論する」

是非とも11月21日の日本養鶏協会ホームページを見ていただきたい。
http://www.jpa.or.jp/news/q_netu/i_tamago16.html

11月19日、日本養鶏協会をはじめとする鶏卵に関した業界団体が一致協力して「いわれなき鶏卵のQ熱汚染キャンペーンに反論する」の記者会見を厚生労働省で行った。その詳しい報告がされている。

このことについては既に東京新聞(11/20)日本農業新聞(11/20)で報道されているが、いつも鶏卵関係業者は一方的にマスコミに「鶏卵の悪口」を云われっぱなしで悔しい思いをさせられている。

現在の低卵価の一因でもある「鶏卵の悪口」報道を一つ一つ潰していく根気のいる活動は極めて大切である。今回鶏卵のQ熱問題に対してとられた日本養鶏協会の迅速な対応及びその広報に感謝したい。

15/November/03

勝ち組と負け組

鶏卵業界が大きく変わろうとしている。その行き着いた先は多くの関係者にとってハッピィではないだろう。好きな言葉ではないが、ごく少数の勝ち組と多数の負け組に分れざるをえない。

一番大きな変化は鶏卵の末端流通を担ってくれる部分から起こった。それはスーパーマーケット、生協、外食産業、、、を問わず、鶏卵納入者の厳しい選別である。単に値段の安いことを要求するだけではなく、流通業者にとって利益の上がる商材の提案力、納入力が問われている。それに加えて食品の安全性を追求する世論におされて、生産段階から一貫して生産履歴がわかる農場が要求される。これらの市場の要求に対応できるのは、鶏卵生産、GP段階、販売力を統合的にもつ経営体にならざるをえない。

鶏卵市場の取り合いは熾烈である。行き場を失った鶏卵には値段がつかない。一方、市場に対応できた企業体は鶏卵市況に関係なく独自のブランド価格で流通企業ともども利益を確保できる。

鶏卵業界は当分辛い日々が続くが、これはなにも我が業界に限ったことではない。政府の構造改革ではないが、今まで長年機能していたシステムが行き詰まり、新しい仕組みが出来上がるまで、抵抗と痛みがともなうが大きな流れは変えることができない。


8/November/03

「行政指導による鶏卵の生産調整」撤廃

先日埼玉県の「鶏卵需給調整協議会」が開催された。これは県レベルで鶏卵生産者の代表と行政が鶏卵需給調整について話し合う場所である。ここでの議題は、平成16年3月をもって、「行政による鶏卵の生産調整」は撤廃されることであった。思えば長い年月だった。業界はこれをめぐって賛成、反対に分かれ対立が続いた。その間、「行政指導による鶏卵の生産調整」があるないに係わらず、業界は好況不況を繰り返しつつ成長し、ついに世界最高レベルの鶏卵生産国及び消費国になった。

一時はあまりの鶏卵不況にたまりかね、法律による「鶏卵の生産調整」を画策した人達もいた。経済活動を「官」が通達一つでコントロールすることが如何に難しいか、何十年にわたって業界は学習した。世界的にみても鶏卵業界は、「官」による生産調整はそぐわない。過去いくつもの国がボードを作り国による調整を試みたがいずれも失敗に終わっている。日本でも同じだ。農林水産省もさすがに「行政指導による鶏卵の生産調整」と現実とのギャップとに気づき来年の撤廃となった。遅きに失したと言わざるをえない。

現在の極端な低卵価は、鶏卵生産者の自主判断による増羽がもたらしたもので、誰が悪いわけでもない。ツケは業界で払うしかない。業界の不満をいう前に、そのような業界に自分たちは住んでいるのであり、嫌ならこの業界から出て行くしかない。政府頼みはこの業界では機能しないとわかったのだから、あとは自分たちで解決するしかない。経済の問題は「官頼み」ではなく、経済が解決する。

6/November/03

ぶらりぶらり通信 船でぶらりぶらり?

前回アメリカ人の肥満についてふれたが、私が言うのもおかしいが、これはほとんど病気である。最近の日本人は肥満を気にしているが、問題にならないスケールだ。

クルーズの食事をみていると、やはりなんといってもカロリーオーバーだ。ずばり油と砂糖である。  いずれも美味しさの源であるから始末が悪い。フルコースの料理であるとアントレまでで既にカロリーオーバーなのに、大きなデザートをペロりとかたずける。そしてそれがそっくり身につく。どうしてもその誘惑には勝てないようだ。

日本でも最近プールなどで、いままで見たこともない肥満児を見かける。不用意にアメリカ型のファーストフードなどを受け入れた結果かもしれない。幼児期に過度な油と砂糖に馴れてしまうと、あとで直すことは難しいようだ。豊かなアメリカ型の食事は勿論優れたところがあるが、食欲にまかせているととんでもないことになる。

あいかわらずクルーズの体育ジムは満員だ。ウォーキングマシンで必死になって汗を流している肥ったお年よりを見ていると、滑稽を通り越してなんだか哀れになってくる。そこですっかり自信をつけたカミさんは、水着を買って泳ぐと云う。たまげたのはこちらで、もう30数年カミさんの水着姿など見たことがない。なるほど日本では肥っているほうでもこちらではぜんぜん目立たない。

6/November/03

ぶらりぶらり通信 船でぶらりぶらり?

クルーズでの楽しみはなんと言ってもその食事である。アメリカ人のお客がほとんどといっても、遡ればそのルーツはさまざまで、食文化も異なる。そのさまざまな要求を満たす為ににシェフは腕をふるう。朝食昼食はビュッフェスタイルなので、それこそ世界中の料理がならぶ。残念ながら中華料理があり日本料理はなかったのだが、あとは大きなお皿を持って自由に取って歩けばいい。

夕食は大きなディナー専用室でちゃんと席につく。英語を喋りながらでは食べた気がしないからMr&Mrs.Nakazawaと4人の指定席にしてもらった。このディナーというのがちょっと厄介で、時にはフォーマルスタイルでという晩もある。半分以上の人々がタキシードを着てくるのには参った。頼みの綱のMr.Nakazawaは、"そんなの持ってないよ"と澄ましたものである。

贅沢な話だが、前菜からデザートにいたるフルコースを毎晩十日間続けるとなると、やわな胃袋では持たない。なにを食べてもそれは料金に含まれているが、酒代は別である。まわりを見渡してみると、お年よりでも"よくまあそんなに食べるなあ"と呆れるほど食べる。そう言えば、乗船したときから気になっていたのだが、アメリカ人のお年よりはどうしてこんなに肥っているのかな?と言う疑問だった。極端にいえば半分以上がすごい肥満体だ。この国で身体をスリムに保つには並大抵の精神力ではない。

出てきたものは残さず食べる美徳?をもっている日本人にはキツイことになった。スリムなMrs.Nakazawaの食べ方をみていると、"無理して食べなくて良いのよ"のスタイルだ。もったいない話だが食べ物を平気で残すことにもタフでなければならぬ。でなければ皆あのようなブロイラーになってしまう。

1/November/03

ぶらりぶらり通信 船でぶらりぶらり?

当初、クルーズの旅などお金だけかかって退屈なものと馬鹿にしていた。ところが行ってみてがらりと考えが変わった。値段のべラボーに高いのは日本のクルーズだけで、よその国のそれに比べると腹が立つ。値段が安ければこんな楽しい旅はない。

ちなみにハワイ諸島を周遊し、アメリカまでの10日間のクルーズが12万円そこそこである。これで豪華客船の全ての設備利用と食事がついている。特別上等な船室をとった客も普通船室の客も食事内容と使える設備は同じなので、勿論私たちは普通船室をとった。  

現地までの飛行機代を格安運賃と組合せれば驚くほど安くなる。このクルーズに誘ってくれた70歳のMrs.Nakazawaはたくましい。インターネットを駆使して旅行代理店の提供するクルーズの値段をチェックしている。アメリカの9.11テロ事件以降その値段は格段に下がったので、誰にとっても手ごろな値段になった。そしてそれをゲットしてくれた。

クルーズを見直したのは、ホテルそのものが移動していくようなもので、一度チェックインしてしまえば旅行中ずっとそのままだ。ホテルからホテルへと移動していく忙しい旅とは訳が違う。特に障害を持った人達や、お年よりには最適だ。なるほど私達を含めて高年齢の者が多い。80、90歳代はざらで、連れ合いを車椅子に乗せたカップルが眼につく。この年寄りたちがやたらに元気がいい。そして陽気だ。

クルーズの気楽なところは、それぞれが自分に合った楽しみを自分のペースでやることができる。甲板のデッキチェアーでのんびり本を読むも良し、オプションの旅行をとって駈けずり周るも良し、如何なる選択もできる。退屈どころの騒ぎではない。

Mrs.Nakazawaはブリッジの名手である。早速対戦相手を求めて船室を出て行ったし、彼氏のほうはゴルフがなにより好きなので、島に寄るたびにそこのゴルフコースに飛び出していった。

1/November/03

鶏卵 Q熱 人間の病気?その後

日本養鶏協会、日本卵業協会の努力によってこの問題の発端になった、人獣共通感染予防医学研究所(人獣研)の発表につき、それにお墨付きを与えた国立金沢大学の山口和男教授と両協会との主な質疑応答が発表された(10/31)。 それによれば民間の研究所、人獣研のQ熱と鶏卵に関する発表に権威を与えるため山口和男教授が協力した訳だが、両協会のものに問い詰められて教授は明快な返答が出来ないありさまだ。

この問題は当初予測されたように、人獣研の売名行為であり、世界的にみて問題になっていない「鶏卵 Q熱 人間の病気」をことさら危険だ、危険だと騒ぎ立て、あげくのはてその検査は私の研究所でしか出来ないとは恐れ入る。 この結果「タマゴは危険だ」とのマスコミが一人歩きし、未曾有の低卵価に拍車をかけている。 養鶏家は怒り心頭にきている。

この問題について日本養鶏協会、日本卵業協会のとった素早い的確な行動には深く感謝したい。  尚 養鶏、鶏卵業界のQ熱に対する公式見解は日本養鶏協会のホームページに詳しく報告されている。
http://www.jpa.or.jp/news/media/index.html

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