たまご屋おやじの独り言 2004年6月

たまご屋おやじの独り言 2004年6月

24/June/04
ぶらりぶらり通信 俳句歳時記

私の先輩、仲間には俳句を楽しんでいる人たちがいる。それも若い時からのものであるから本物だ。それも現役の時にはその素振りさえ見せず、密かに研鑽を続けていたのであろう。定年を控えて老後の楽しみに、にわか勉強したものとは訳が違う。

牛木先輩とカバさんはネットを通して連歌を戦わせて?いられる。ネット上に連座してはいるが門外漢の私どもにとっては手も足も出ない知的なゲームなのだ。ただ時折野次を飛ばして一座を賑やかにすることが精一杯。長い間お互いに俳句をたしなみ、研鑽をつんでいなければ連歌は成り立たない。同じ技量を持った者同士が立ち会ってはじめて面白くなる。この前三十六の俳句がつながって見事に完成した。既に二回戦も始まっている。

日本人は食うや食わずの大変な時代から、このような知的財産を蓄積してきた。例えば芭蕉奥の細道を辿ったそのネットワークには驚くべきものがあったという。その時代、芭蕉を受け入れた日本各地のスポンサーの知的レベル、経済的な力は想像を超えていた。これ等の蓄積が今に続いているのに違いない。

刺激を受け遅ればせながら、両先達に手ほどきしてもらい、まず自分にあった俳句歳時記を手に入れることから始めよう。いや待てよ、川柳のほうが性にあっているのかも、、、。

20/June/04

鳥インフルエンザ(AI)対策国際シンポジウム

6月15日、日本鶏卵生産者協会の主催で表題のシンポジウムが東京で開催された。 イタリア、香港の専門家3名の話とコーデネータにはOIEの小沢義博名誉顧問が当たられた。

いずれの国もAIについては、生々しい経験をしただけに話には凄みがあった。イタリアの養鶏密集地帯の経験では、殺処分、根絶作戦は効を奏さず、結局のところワクチンでこれを制御できたこと、また香港ではやはり最初は殺処分、根絶作戦をとっていたが中国本土でいつもAIの汚染があるので、これを制御できず、現在では本土から持ち込まれる鶏を含めてすべてワクチンを実施しており、制御に成功しているとした。

日本でのAIワクチン使用について、問題点とされていた三つの点について
?AIワクチンをすることによって、野外株のAIが鶏の体内で生き残り、排出され続けることについての危険性は、ワクチン使用によってそれは極端に減少すること、またワクチンをしないでAIに感染した場合の排出されるAIの危険度に比べれば問題にならないこと。
?AIワクチン使用により、人間に危険なAIの変異株の出現については、AI株の変異は通常自然でも起きていることであり、AIワクチン使用により特別起きることではない、むしろワクチン使用によってウィルスの排出量が極端に減少できるのでその危険度は小さくなる。
?AIの自然株とワクチン株の区別はイタリアではDIVAシステムで解決できている。

と言うことで、日本の農水省はAIワクチン使用のデメリットのみ強調されたが、これは使用国ではほとんど問題になっておらず、逆にAIワクチンを使用することでAIを制御できたと話していた。

結論として、AIをコントロールするには、ワクチンはあくまで選択肢の一つであり、AIワクチンの使用にあたって、モニタリングとサーベイランスが絶対条件であり、綿密なワクチン使用計画のもとに実施されなければ成功しないと強調していた。そのとおりであると思う。

19/June/04

ぶらりぶらり通信 Steve Lacy の死

日本の新聞も小さく死亡欄に取り上げていたが、レーガン元大統領の亡くなった前日に、ソプラノサックス奏者のSteve Lacyはアメリカ ボストンで亡くなった。享年70歳であった。 予定では、今月19日私どものホールEGG FARMで彼は演奏し、あとでささやかな誕生パーティを開く予定であった。

カミさんとその若いJazz仲間が企んで、始めてSteve LacyをEGG FARMに呼んだのは1986年なので、もうかれこれ20年前になる。その間8回ほどEGG FARMで演奏をしているから、とても縁の深い人だ。

死の直前まで日本での演奏に意欲を燃やし、飛行機の切符を手配していたほどだ。そのプロ根性には頭がさがる。 Steve Lacy は派手なことが嫌いだ。本当に彼の音楽が好きな人の為に演奏する。たとえ聴く人が少数でも、決して手を抜かない。私は音楽のことは良く分からないが、そういう事は分かる。

カミさんが今回Steve Lacyの演奏計画を立てていた。それが中止になり、あちこちに迷惑をかけたようだが、音楽仲間は有難い、了承してくれ、協力してくれた。 Steve Lacyの穴があいたEGG FARMでのコンサートはピアノの山下洋輔とサックスの梅津和時がやってくれた。

演奏後のささやかな追悼会では、涙ながらに Steve を語る人たちが多かった。Steve とはそんな男である。

12/June/04

日本たまご事情 親子丼

オムレツライスを食べ歩く決心をしたと仲間に話したら、「日本の傑作、親子丼を忘れちゃいませんか」とクレームがついた。なるほどオムレツライスも日本のオリジナルだが、親子丼も日本の傑作だ。

先日、旧友宮下先生の「秋田県角館に美味い親子丼あり」と言う知らせで、角館市内の「さくら亭」で落ち合った。秋田県の誇る比内鶏の肉と卵をベースにした親子丼であった。ニワトリ博士の得猪さんが紹介されたように、東京日本橋人形町の「玉ひで」が親子丼の元祖といわれる。この店は江戸時代からシャモ鍋の専門店であり、五代目のオカミさんが明治中期、親子丼を作り出し人気をとり、現在も続いている。

角館市の「さくら亭」が人形町の「玉ひで」の流れを汲む店であるのか分らないが、いずれもご飯に乗せられた具の卵は半熟のトロトロ状態でシャモ肉系の地鶏を使用しているのも共通している。美味さは両者甲乙つけがたしだが、値段は東京人形町が800円、角館が1500円で東京の勝ち。

オムレツライスも親子丼にしても、美味い店に共通しているのは、卵の調理具合につきる。半熟のトロトロ状態をタイミング良く出してくれる。それにはそこに腕のしっかりした調理人がいるに違いない。

7/June/04

ぶらりぶらり通信 DOPASO

まだ懲りずにスクウェヤーダンスを続けている。週一回の講習を半年続けて先日やっと初心者コースの終了式となった。 途中何度もずっこけ、投げ出したくなったがどうやら持ちこたえた。講習を一回サボると次の時にはもう分らない。毎回新しい型が付け加えられるので、ただでさえ物覚えの悪いものにとっては容易ではない。

ご存知のごとく、これは8人のチームダンスだから私のごとく物覚えが悪く、練習をサボっていると他の人たちに迷惑をかける。初心者は初心者なりに、同じレベルで進んでいかねばならない。そこで DOPASO などというダンス用語を60くらい単語帖に書き取って繰り返し見ることになる。中学生の時に英語の単語帖を作ったあれだ。 コーラー(かけ声をかける人)が DOPASO と言った途端、その動作をしなければならない。脳味噌の回路は激しく作業し動作に伝えようとするがままならない。

こんなことを半年続けていよいよ終了記念パーティとなった。いつもは20人程度の講習会場もこの日は来客メンバーを加えて80人に膨れ上がった。 ご婦人方は日頃見かけぬ華やかなダンスの服装に着替えて嬉々としているし、圧倒された哀れな男どもは隅のほうで小さくなっていた。

記念パーティ終了後、終了証書の授与式があった。全員の前で主催者が「あなたは続かないと思ったが良く頑張った」と褒めてくれた。

1/June/04

ぶらりぶらり通信 オムライス

「トリ屋さんたち、本当に美味しいタマゴ料理を食べたことがあるの?」とニワトリ 博士の得猪さんにけしかけられたので、このところすっかりオムライス(オムレツライス) に取り付かれている。

日頃、鶏とタマゴに明け暮れているトリ屋にとっては、外に出てまでタマゴ料理を 食べる気がしないものだ。 ところが、ほんとうに美味しいタマゴ料理を食べたことが あるかと聞かれれば私も自信がない。 毎日一層懸命、タマゴを生産してはいるが、それがどのように美味い料理と なって現れるか、確かに多くのトリ屋さんたちは無頓着のようだ。

早速、得猪さんお薦めの東京日本橋たいめいけん」に行ってみた。目指すはオムレツ ライスである。ここのオムレツライスには二種類あって、一つはケチャップライスをオムレツで包ん だものと、ただ上に乗せただけのものがある。 ソースはトマトケチャップそのもの、一品で1650円も取られたがさすがに美味い。

先週、西のチャンピオンといわれる大阪心斎橋の「北極星」に行ってきた。ほとんどの お客がここのオムライス(この言葉もここから始まったと言う)を目当てにやって来る。古い民家をそのまま使って、中庭までありいい雰囲気だ。 典型的なオムレツライスで、ソースはこの店独特のものであり、外販もしていた。 オムライスの横にすし屋のガリがちょこんと添えてあるのもこの店の特徴だ。一品で682円とは嬉しい。勿論味は「たいめいけん」のそれと勝るとも劣らない、 さすが大阪である。

かくてこの二つの店の味を基準に、オムレツライスを食べる旅は始まった。 と言うわけで、是非とも美味しいタマゴ料理を食べさせるところを教えて欲しい。

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