日本たまご事情 HACCP手法研修用教材 基礎編・採卵鶏編

鹿児島大学の岡本嘉六先生が中心となられて獣医師のためにこの教材が最近まとめられた。現在、基礎編と採卵鶏編の二部が完成しそれぞれの内容についてプレゼンテーション用のCDがついている。私は獣医師でないので専門的なことはわからないが、採卵養鶏農場を経営する立場からHACCPにどう取り組んでいったら良いか、この教材は実に分かりやすく出来ている。専門的なことを平易に説明することは難しいことだが、その点この教材はCDを添付し、美人(?)のナレーションつきでグラフを多用し、専門の獣医師ならずとも私ども農場サイドの人たちにも分かりやすい。

岡本先生がこの教材を作られた根底にある想いは、食品の安全性についてマスコミの間違った報道に対しての怒りであると同時に、それを鵜呑みにする消費者に向けられている。それには獣医師たるものが科学的に正しいデータを国民に提供する義務があるとの基本姿勢につらぬかれている。随所に辛口のコメントを遠慮なく書き込み、それがこの教材を単なるHACCPの解説書を超えたものにしている。

昨年の5月、縁あってNHK「ラジオ深夜便 サンデートーク」で岡本先生と鳥インフルエンザについて対談させてもらった。その時にも感じたことだが、先生は相手が誰であろうが(特にマスコミに対して)正しいことを物申す熱血漢とお見受けした。

今回無理をいって先生からこの教材を分けていただいたが、入用の方は社団法人日本獣医師会に問い合わせてもらいたい。