物忘れ 

最近ますます物忘れがひどくなってきた。
忘れ物を取りに来て、その場に来てみると「はて?なにを取りに来たのだろう」なんてーのはざらにある、自分でもこれはやばいなと思うが仕方がない。
先日も薄墨桜を見た帰り道、樽見鉄道本巣駅でタクシーに乗る時、カミさんの大事にしている布製のバッグを駅のベンチに置き忘れ、かなり経って宿屋に着いてから気がついた。

この鉄道は単線で桜の咲くころ忙しくなるらしい、駅にはたしか二人の駅員がいたと記憶している、念のために宿屋からベンチに忘れ物がなかったか電話してもらう、しばらく経ってから「ありました」と連絡をうける、こちらは恐縮して着払いで宅配の手配をした、機嫌の悪かったカミさんも元に戻った。
こんなハッピーエンドに終わることはむしろ稀であり、これからもドジが増え続けることだろう。

歳をとって物忘れや記憶力が薄れるのは仕方がないとして、それに対抗する手段がないこともない。
この頃外出する時には鞄のなかに電子辞書を忍ばせて置く、これがあれば軽トラック一台分の辞書類を鞄に入れているのと同じだ、また私の今使っている老人用の携帯電話でも使いきれないほどの機能がついている、ネット接続、計算機、歩数計、カメラ、、、最新の機種なら迷子になった時の現在位置がわかるGPSまでついてるそうだ。

今は何処へ行っても事務所や自宅にたどり着けばネットに繋がったPC(パーソナルコンピュータ)がある、これらは勿論ビジネス用に現在はなくてならないものであるが、記憶力の衰えた我々にこそ有力な武器になる。
わずか10年前、我々にとってこれらの世界は夢の世界であった、それが今は皆が手にする事が出来る。
やっとこれらを利用できる最後の世代かもしれないが、これらを利用してまったく新しい歳のとり方の出来る最初の世代かもしれない。