親子蛙

プールで出会う親子がいる、親子と言っても子のほうが40代後半の大男、そのお袋さんが70代の前半であろうかこれまた体格が良い、親子は似るもので、どちらもかなり太りぎみである。
お袋さんは重い体重が腰と膝に負担をかけたらしく歩くのが少々不自由である、いつも息子に付き添われてやってくる、二人と私がプールに行く時間帯が同じなので、何時の間にやら互いにお喋りするするようになった。

ここ深谷市の「パティオ」は一階に流れるプール、二階が25メートルプールとなっている、夜間は8時半までやっていてとても人気がある、この季節昼間は子供たちで賑わい、夜は仕事を終えた人たちがやってくる。
私たちはいつもその切り替わりの時間帯で顔を合わせる、お袋さんはもっぱら流れるプールのほうで水中ウォーキング、息子さんと私は25メートルプールで泳いでいる。

「親孝行してますね」と息子さんに話しかけた、「とんでもない、いまお袋が歩けなくなり寝たきりになられては私が困る」と笑っていた、いい親子である。

そう云えば、身体の不自由なお年寄りがたくさんこの流れるプールで歩行訓練をしている、特に歳をとってから腰、膝に問題を抱えやすく、水中ウォーキングはこれに効くらしい。
幾つになっても水着一つの裸になり人前に出てゆく事は特に女性にとって刺激になり気分が若返るらしい、爺さんだって日頃猫背であっても裸になれば背筋が伸びてシャンとする。