ブータン 夜這い婚

ブータンは伝統的に女系家族である、どの家でも女の子が生まれると喜ばれる。この国では女の人が実に堂々と振舞うし、実力もある。男女同権どころか昔から女性優位らしい。
結婚するにあたって現在でも基本的には、従来の夜這い婚を踏襲している。
女系家族は女がその家の財産を引き継いでゆく、男は気に入った娘のいる家に入りこみ、その娘さんに気に入られればそのまま居続ける、男の働きが悪ければ途中でも放り出される。子供が出来て男が浮気でもすれば、男は家を出されなおかつ子供の養育費を払い続けることになる。であるから男はうかつに浮気も出来ない。
私たちグループは古い農家を訪ねる機会があった。建設後350年経つというその家は一階が牛などの家畜が住み、二階が人間家族の居住空間、そして三階が稲藁などの保管スペースという堂々たる建物だ。客人の接待は40代と思われる女主人が取り仕切り、その小学生の娘さんが私たちにお茶をだしてくれる。そこには男の出番はなかった、なるほど。