たまご屋爺さんの独り言 耳が遠くなった その二 了

たまご屋爺さんの独り言 耳が遠くなった その二 了

耳が遠くなると人との付き合いが狭くなる。
電話でのやりとりが億劫になり、それでの付き合いが減る。
講演会などでは例えスピーカーを使ってくれても聞き分けにくい、そう云う所へはだんだん行かなくなる。

淋しい話だが、今のところ眼のほうは遠近両方の眼鏡を使えばなんとかなるので助かる。

人間、不思議なもので耳が遠くなれば余計良いものを聴きたくなるし、視力が落ちてくれば余計良いものを見たくなる。
正直云うと私は今まであまり音楽、美術の世界にあまり関心がなかったが身体の機能が衰えるにしたがい、その世界をもっと知りたくなった。
大型のヘッドホンを使えばそれなりにネット上にある好きな音源を楽しめるし、今なら美術館も自分の脚でゆっくりと廻れる。

世間のことのに疎くなることについては、従来通りネット上に情報が豊富にあるので必要なものは手に入る。

考えてみれば、私たちの親の世代の人たちに比べてなんと贅沢な環境で老後を過ごせていることだろう。

だが豊富な情報知識に容易に接するが出来ても、一時代前の人たちに比べてそれらを使いこなす知恵が増えた訳ではない。

 

台風19号上陸が近い、キャベツが吹き飛ばさないように祈る。

針ヶ谷(深谷市)にて