たまご屋おやじの独り言 2000年8月

たまご屋おやじの独り言 2000年8月


31/August/00

イギリスたまご事情(9)イギリス人は古いものが好き 続

Stafford郊外のGriffiths夫妻の農家に泊めてもらう。先にも紹介したが100万羽の採卵養鶏と400Haの畑作をやっている家族経営で、イギリス養鶏界の重鎮である。実際の仕事は息子にまかせてもっぱら業界活動やらなんやらで世界中を飛び回っている。ロンドンにはIEC(International Egg Comission)という世界で唯一の鶏卵関係の世界組織があるが http://www.internationalegg.com/その重要役員の一人である。

ところで泊めてもらった家なのだが、なんと450年前に建てられていて、その重要部分はほとんどそのままなのだ。基本構造は石、レンガ、樫の木、漆喰でできている。二階のベッドルームへ行く樹の階段は三分の一は磨り減っている。イギリス人のことだからこれがあと半分になる300年後まで使い続けるに違いない。

勿論名誉の為に云っておくが、450年前の便所と台所はそのままではない。快適な暖房と水周り、台所が上手く450年ものと組み合わさっている。最も印象的だったのは彼専用の書斎であった。まわりが450年の歴史ものの雰囲気のなかにNECのデスクトップPCがドンと置いてあった。彼は最近これを仕入れ「はまっている」のだそうだ。70歳になりなんとする叩き上げの養鶏家がそのゴツイ指先で最新のPCを操る・・・・・、イギリスは古くて新しい!
31/August/00

イギリスたまご事情(8)イギリス人は古いものが好き

余談。
Cambridge郊外、Lawlence夫妻の家に泊めてもらう。3歳、1歳の子供のいる子育て真っ最中の若夫婦の家庭で、奥さんが日本で高校の英語助手をしていた頃からの付き合いがある。この家を二人で3年前購入しロンドンのアパートから引っ越してきた。当時日本円で2400万円したという、100坪くらいの細長い庭があり、レンガ作り2階建て、延べ60坪くらいのごく普通の住宅なのだが、ここから話が違ってくる。

この家は150年前に建設され、当時馬具の販売店として使用されていた。旦那のChrisはこの古い家がとても気に入っていて2階の床が少々ゆがんでいてもぜんぜん気にしていない。150年前の建設証明書やら図面、100年前の写真などがこの家とともに新しい住人に引き継がれてゆく。

私達が割りこんだため、若夫婦はそのbedroomを私達に譲ってくれた。無骨ともいえる頑丈な木製のbedは150年のこの家に起きた歴史を確実に支えていた。

日本に戻って新聞を見ていたら、各国の住宅の耐用年数が出ていた(今新築した家が何年持つか)、日本27年、アメリカ45年、イギリス75年。Chrisは次に引っ越すときには、もっと古い家を探すと言っていた。

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