牛乳

牛乳

私はよくスーパーマーケットの食品売り場やコンビニエンスストアーの食品売り場を覗くのだが、行くたびに次々と新しい加工食品が開発されそれらが並んでいる、それは驚くばかりだ。
つい先日まで棚に並んでいたものが今日すでに無くなり、そのかわり競争相手の商品がそこにあったりするなどまことにめまぐるしい、店の方にしてみれば毎日商品ごとの売り上げをチェックして少しでも売り上げの多いものに変えていくのは当然のことであるが、まことに加工食品の人気は移ろいやすい。
加工食品はいまの流通の仕組みにはとても具合がよい、大量の商品を大量に販売するには、規格がそろっていて納期に注文した量がきちんと納品されなければならない、加工食品はこれに対応しやすいが生鮮食品はそう簡単にはいかない、しかしバイヤーの声は天の声である、対応できなければ納品は競争相手の手に渡る。
素材そのものの生鮮食品売り場より加工食品の売り場が多くなるのも分からないでもないが、ただ加工食品が便利で安いだけで本当に消費者のためになっているかどうかは別問題である。
私は古い人間かも知れぬが、出来るかぎり加工食品を避け素材そのものの新鮮食品を買うようにしている、家族には手間がかかるなど迷惑をかけているが、魚、肉、牛乳、卵、野菜、果物、、、なんでも素材に近いほど美味い。加工された食品の味は口当たりは良いがすぐ飽きる。
なかでも地味な生鮮食品の牛乳、卵は売り場に欠かせない、たとえ納入業者が変わってもその物が無くなることはない、嫌な予想であるが今氾濫する加工食品のほとんどが無くなっても、いやその時にこそ牛乳と卵は大事にされる。
コンビニエンスストアーの豊富な飲料用の冷蔵ケースを前にしていつも思うことがある、この中で本当に値打ちのある飲み物があるのだろうか?私には唯一、ケースの隅に置かれている牛乳のみと考えるのだが、、、。